ヒュヴァーイルター (こんばんは)
今夜の話は、そう
北欧を愛する人はもちろん
そうでない人もみんな大好き
マリメッコ
その誕生秘話を話したいと思う
あれは1951年
日本がようやく戦争後の条約を連合国と結んだ年である
ある女性がフィンランドに生地の織物工房マリメッコを立ち上げた
彼女の名は
アルミ・ナティア
世界で愛されるようになるまでには何度も倒産しかけたり 様々な困難に立ち向かった強い女性である
そしてマリメッコの意味は『マリーちゃんのドレス』
ブランドを立ち上げたはいいが買ってくれる人が全然おらず悩み苦しんでいた
デザインはいいんだよ デザインは と言われるだけであった
そんな時にこの生地から洋服を作り
ファッションショーをしてみようと思いつく
有名な服飾デザイナーに頼み マリメッコ生地を洋服に仕上げた
何と見事にショーは成功 モデルが着るそばから売れに売れた
そして初のマリメッコショップがヘルシンキにOpen
そこからアルミ・ラティアは快進撃を起こす
当時のフィンランドの女性たちはコルセットで締めつけられており それを解放してのびのび動き回れるようにとワンピースを作るとそれがヒット
それからはたくさんのデザイナーを雇用していく
1960年代になると
当時ファッションアイコンとして注目の的だったケネディ大統領の妻ジャクリーンが
マリメッコの服を着た事で世界中に広まり生活の中に浸透していく
そしていよいよ1964年
マリメッコで最も有名なデザインが誕生する
実はこの誕生にこそ秘話があり
創業者のアルミ・ラティアはデザイナーたちに
『花はそれだけで美しい。花はデザインのモチーフにしてはならないものなのよ』
という格言を言っていた
しかしある日デザイナーの1人が布地いっぱいにケシの花を描いてきた
それがまさに
ウニッコ である
まさか社長の意思に従わなかったデザインがここまで有名になるとは アルミ・ラティアも驚きである
そのデザイナーの名はイソラ
彼女はその他にも
泉をモチーフにしたKaivo
岩をモチーフにしたKivet
カモメをモチーフにしたLokki
老女という四葉のMUIJA
など 今も古さを感じさせない不思議なデザインをたくさん生み出している
優しい色使いと 大胆な柄が男女問わず前向きな気持ちになれそうである
1968年には
日本人デザイナー脇坂克二もマリメッコに加わり
車のデザイン『ブーブー』により男の子でも喜ぶ作品を発表した
マリメッコに日本人デザイナーがいた事に驚きだが同時に誇らしい気持ちにもなる
他にも素晴らしいデザイナーがいるマリメッコだが どの作品も魅力的なのは
やはりアルミ・ラティアの社会への姿勢が大きく関わっているのだと私は思う
現在
社会ではようやくサスティナブルという言葉が出回り出したが
マリメッコは人と環境を尊ぶ事を姿勢の核とし
出来る限り環境に優しい製品を作ることが製造者の責任だと ずっと前から掲げ続けている
自然からデザインを得ようとする感覚と 環境を大切にする姿勢
それこそが60年経つ今も愛され続ける理由なのだろう
では
今夜の話はこの辺で
ヌクヒュビン (しっかり眠ろう)