かつて
滑らかな肌触りと透き通った白さから白い金とまで言われ
ヨーロッパの権力者たちが競うように集めていた宝がある
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その通り
有田焼だ
『サガセ、コノヨノドコカニ アルハズダ』
その宝は人々を海へと駆り立てた
世はまさに
大航海時代である
しかしなぜ日本の伝統が海の向こうで
と思った方も多いだろう
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その歴史は大航海時代真っ只中の1616年頃
それまでの磁器製品は中国や朝鮮のものばかりで 実は日本において生産不可能と言われていた
そんな中 豊臣秀吉が朝鮮から帰ってきた際に連れてきた男が
佐賀県有田町で陶石を発見
そこから日本初の磁器焼成が始まった
やがてイギリスやオランダがアジア貿易会社 東インド会社を設立
それらの会社を通じて一気に世界中に広まりヨーロッパの権力者たちの憧れ品となっていったという訳だ
ちなみにその時に輸出していた伊万里港の名前から有田焼は海外からIMARIと呼ばれていた(もともと有田焼も伊万里焼も同じものだったが現在は有田町と伊万里市のもので大別されている)
一口に有田焼と言ってもあらゆる窯元があり その作品も様々である
中でも誰もが知る有名窯元 香蘭社 は大量生産時代に個人では限界があると1879年深川栄左衛門によって創設された会社である
私も愛用している香蘭ブルーとも言われる紫を帯びた濃い青は吸い込まれそうな程の美しさがあり 極上のひとときを与えてくれる
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それから有田焼と言えば浮かぶ窯元 深川製磁
そう 香蘭社創業者である深川の息子が1894年に輸出用として作った会社である
有田の伝統技法に欧州技術を加えた独自のデザインは現代も私たちの感性を刺激する
香蘭ブルーと同じようにフカガワブルーと呼ばれる品もある
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それから白と絵の対比が芸術的な窯元 コリンアン
有田焼には桜もよく描かれており その色合いも様々
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他にも 個人的に気に入っていてよく使用している窯元 秀峰
緻密にビッシリ描かれた人や模様を眺めているだけで物語を読んでいる気分になる
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それから手持ちにないが最近気になっている窯元がやま平窯 の泡シリーズ
さすが白と青の美しき有田焼 そして次世代的なデザインがとても軽やか
まだまだ様々な窯元がある有田焼だが
どれも魅力的で魔力的
大航海時代に人々が探し求めた大秘宝はまさにこれだったのか!!
と叫ばざるをえない
そして
海を渡った有田焼がヨーロッパの地でいかに影響を与えていたのか
機会があればまたヨーロッパからの視点で書けたらと思う