青い薔薇
そんなものが皆さんはこの世に存在すると思いますか?
先日 あるお宅の模様替えをしていた時の事です
その日は風もなく穏やかだったのですが
突然ふわっと柔らかな空気が私の周りに漂いました
今のは何なんだ とその空気の吹いてきた方を見ると
驚きました
噂には聞いてはいましたが
本当に
あったんです
絶対咲かないと言われた青い薔薇
絶対咲かせたいと人類が挑み続けた青い薔薇
大倉陶園の代表作-ブルーローズ-
何と美しい
釉薬の中に沈むブルーの柔らかな風合い
西洋感でありながら和風空間にも映える
これが
世界が憧れた大倉陶園
この印がその証です
大倉陶園には他にも1954〜1959年製の生地薄品など二級品のツメ印や
軽井沢の大倉陶園アウトレットで販売される規格外商品のJ.B印もあります
(手書きですみません)
花器だけでなくポットやカップなどもあり ドラマ 華麗なる一族 でも使用されていました
大倉という人物は元々錦絵の制作をしていた人ですが西洋陶磁器に魅せられ 1919年日本でも大倉陶園を創業
『良きが上にも良きものを』
という言葉は有名で採算を度外視してでも こだわりの逸品を作る事をモットーとしていました
このブルーローズは一度焼かれた粘土にコバルトを絵付けし再び焼く岡染めという大倉陶園特有の難しい技術で作られています
と絵柄ばかりに目がいきそうですが大倉陶園の評価の高さは背景のホワイトにあるそうです
最高級カオリン粘土を贅沢に使い セーブルのブルー 大倉のホワイトと称される程のなめらかな色合いを見事に焼き上がらせます
焼き方も1460度という世界的にも珍しくまた難しい高温焼のため
肉薄でも締まった質感で
ティーカップなどでは口に触れた時の滑らかさがまるで違うと言われます
一度使うと手放せなくなる人もいるらしいです
また迎賓館でも使われたり公賓への贈答品にもなっていることから いかに日本人の誇れる逸品かがうかがえます
自然界を見渡しても絶対咲く事のない青い薔薇
現在では人工的な品種改良も可能になりましたが
昔は花屋さんが不可能の代名詞と言う程 青い薔薇は夢物語だったようです
そんな夢をデザインにした このブルーローズからは
大倉陶園のロマンが漂い溢れ出しています